沈みがちな気分は生活リズムで改善

やる気がない、気分が重い、ぐったりする、手足に重りがついたように体が重い(鉛様まひ)
これは「非定期型うつ病」の症状です。
この病気の場合、24時間の体内リズムが崩れていて、昼近くまで眠り夜は目覚めている昼夜逆転していることがよくあります。
特に女性に多い症状です。

この体内リズムの乱れを放置したままでいると、抑うつ気分(気分の落ち込み)などの「気分反応性」や「鉛様まひ」など、非定期型うつ病の症状はますます悪化してしまうことがあるかもしれません。
そのため、生活リズムを改善するということも大切です。

このような症状でなくても、メンタルに不調を感じているときには「生活のリズムが崩れている」ことが原因のときがあります。

心にいい生活リズム

次のように生活リズムを改善すると、気分も改善していきます。

規則正しい生活をする

朝起きて光を浴びると脳内物質のメラトニンの分泌が抑制されて、体内リズムがリセットされます。朝はきちんと起き、夜は24時前には寝るようにしましょう。
食事も、朝・昼・晩に決まった時間にとるなど、規則正しい生活を心がけましょう。

その日の目標を立てる

毎朝、起床時に「今日はこれをしよう」とその日の目標を立てましょう。散歩など簡単なことで構いません。「何かをしないといけない」と自覚することが、生活リズムを整えます。

ウォーキングなどで体を動かす

1日1回は散歩などで外の光を浴びて、体を動かすようにしましょう。
ウォーキングなどの軽い有酸素運動は、気分を安定させる脳内物質セロトニンの分泌を促し、気持ちを楽にさせます。

掃除や片づけなど、整理整頓を心がける

掃除や片付けなどは、適度な運動になるだけでなく、その日の目標にもなってリズム調整に役立ちます。
また、きれいにした達成感で気分がよくなります。

行動の記録をつけよう

倦怠感が強くて、寝ても寝足りない症状が続く場合、
「朝はできるだけ早い時間に起きて1日のリズムが大きく崩れないように」
「散歩して体力維持を図る」ということが大切だとわかっていても
「そんなことはできない」と思うでしょう。
このような場合、簡単な睡眠・食事の日記をつけることが役立ちます。
寝た時間、食事をとった時間を書くことで、書いている自分自身が無意識に気づいていきます。

この記録するという行為が「認知療法」の第一歩となっているのです。

これに慣れてくれば、次はその時の感情や言い訳、次回の目標なども書き加えます。

この記録(レコーディング)は淡々と続けることに意味があります。
そうすることがセルフ認知療法となって、徐々に自らの感覚で感じ取る周囲の気配、そしてそれに反応する自らの身体感覚、それに伴う自らの気持ちなどに気づき、ストレスに対する免疫力も高まります。