ランドの金利が高いけど投資したら駄目なワケ
南アフリカ/日本円のFX(外国為替証拠金取引)でのスワップ金利は約13円。
これは一万通貨を買ったときの金利で、
今現在1ランドが8.605円なので、1万通貨は86,050円。
86,050円が1日経つと+13円されて86,063円になる。
これは金利が1%/1日という、ものすごい高金利だ。
日本の定期預金の金利がが0.1%/1年ときけば、このランドのすごさがわかると思う。
さらにこれが2日たてば86,063円について利子が加算される。
つまり「複利」ということ。
長い間持っていれば持っているほど、どんどんと自動的に増えていく。
この高金利がランドが人気の理由だが、
ランド投資の話には飛びついてはいけない。
理由は簡単。次のチャートを見ればわかる。一番下がランド/円の過去10年のチャートになる。
ひたすら下がっている。
最近は最安値を更新しようと、なんども下方向へトライしているように見える。
これは円に対してランドの価値がどんどん下がっているということ。
スワップ金利以上に、この為替の変動は大きい。
いくら利子がついても、ランドを円に戻したときの金額は預けた時の金額以上にならない。
もちろん為替は上がリ下がりを繰り返すので、
安い時に買い高い時に売れば金利分の利益はでることになる。
けれども、そうなると日々値動きを見て
「いつランドに変えるのか」
「いつ円に戻すのか」
をチェックすることになり
「長いこと預けることで金利分増える」ということができなくなる。
ランドは短期での取引になるからだ。
上のように長期間のチャートをみればずっと下降を続けていることがすぐわかるが、
短期間でみていると気がつかない人がいる。
特にこの1年間だけをみると、ふたたび上昇するように見えてしまう。
中にはチャートもみないで取引をする人がいるというのは驚きだ。
投資の基本は、長期的な流れと同じ方向に買うこと。
ランドは下降を続けている。
そしてランドの「売」ポジションを長期持つということは、
毎日高金利を「支払う」ことになり、資産は目減りしていく。
だからランドは買ってはいけない。
ランドは投資対象ではなく、「投機」対象なのだ。