最近怒りやすいのは、心の病気かも
些細なことで怒り出したり、
相手に対して激しく攻撃的になっているのは、
心の病気「非定期型うつ病」とよばれる新型のうつ病の特徴です。
たとえば、
- 仕事のミスで注意された時に、職場に責任転嫁して大騒ぎしたりする
- 些細な事に体を震わせて相手を避難したり、大声で叫んだり、物を壊したりする
- レストランで注文の品が出てこない時、店長を呼び出して事情を説明させるほど怒りをあらわす
などです。
社会生活に支障をきたしかねない「怒り発作」
気分反応性といわれている抑うつ気分(気分の落ち込み)が激しく現れ、気分がアップダウンする症状がでます。
しかし、好きなことをしているときは症状が軽くなったり、少しでも嫌なことがあるとすぐに落ち込んでしまいます。
そして「拒絶過敏性」という症状も出てきます。
これは、客観的にみれば本人の考えすぎともいえるのですが、
他人の何気ない一言を侮辱的な言動や批判と過敏にとらえ、
ふつうでは考えられないほど激しく反応します。
日本人の場合、他人と比較して自己アイデンティティを構築する傾向があるのですが、非定型うつ病の人は、より一層この傾向が強いようです。
この2つの症状から、周囲の人の目にはこの人の本当の姿がわかりにくく、わがままと誤解されてしまうことがあります。
また、本来なら見方である家族や会社の同僚などに対して激しい攻撃性(怒り発作)を向けることもあり、そうなると人間関係は損なわれてしまいます。
当然、社会生活に支障が出てくるわけです。
周囲の人はどうすればいいのか
拒絶過敏性の背後には、
- 自分自身や能力を低くみられることへの恐怖(対人恐怖)
- プライトの高い性格(他人の目を気にする自己愛性)
が存在していると考えられています。
これらはいずれも元来もっている不安とその葛藤に端を発しています。
このような人の多くは、幼少期にとても強い不安、緊張、恐怖に長い期間さらされた場合に少しずつこのような症状が形成されていくように思います。
では、周囲の人はどのように対応するばいいのでしょうか?
非定型うつ病は不安に起因した心の病気です。
感情が過敏なときに避難されたり、攻められたりすると症状を悪化させます。
特に「怒り発作」の最中は、興奮している相手と同じ土俵に上がらないことがポイントです。
理屈で反論せずに、やさしく話をきいてあげましょう。
アドバイスをするときは、相手の気分が落ち着いたところで客観的に意見を言ってあげると効果的です。
しばしば発作を起こす場合には専門医と相談することをお勧めします。